2011.02.10


東近江市で、市の花「ムラサキ」の根で染めた紫根染のスカーフなどを商品化、というニュース。
へえ、ムラサキって色の名前の花があるんだ〜と、ヤフってみました。

ムラサキって花は、
額田王
  * * *

 あかねさす
  紫野行き
   標野行き
 野守は見ずや
  君が袖振る

  * * *
で知られる万葉の草花らしいですね。
な、なんと趣が・・・!
・・・とか言えるような学をもっていないので(じゃあ言うな)
ヤフってみました。

するとこの歌、2首対で出てきました。
*********
額田王
あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る

皇太子
紫草(むらさき)の にほへる妹を 憎くあらば 人妻故に 我れ恋ひめやも

(訳)
天智天皇が蒲生野に狩りをした時に額田王が詠んだ歌
「まあ、紫草の栽培されている標野を行きながらそんなことをなさっては、野守が見るではありませんか。あなたはそんなに袖をお振りになったりして。」

大海人皇子がお返事なさった御歌
「むらさきのように美しいあなたが好きでなかったら、人妻と知りながら私はどうしてあなたに心ひかれたりしましょうか」

『新潮古典文学集成 万葉集一』 巻第一 雑歌
*********
簡単に追記▼
◇あかねさす 「紫」の枕詞。
◇袖振る 恋情の意思表示


・・・うーん、なんつーか、
かなわない恋の一場面?
皇子がつらいな!!

しかし!訳だけ見たら悲恋的な感じがするんですが、こんなことも書いてありました。
*********
額田王が大海人皇子個人に向けて思いを伝えた歌でなく、宴などでおおやけに披露した歌と思われる
・・・・
おそらく宴会の乱酔に、天武が武骨な舞を舞った、その袖のふりかたを恋愛の意思表示とみたてて、才女の額田王がからかいかけた。
・・・・
など
*********

優雅にジョークにジョークを返す、まことにユーモラスな趣。
まあ実際はどうだか知りませんが、
賢いジョークいえるのすごいと思います。

・・・

ムラサキという花は白かったことにちょっとびびった。
あ、だから「根で染め」たってことか。



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